「健康で文化的な最低限度の生活」という素敵な漫画を読んだのでご紹介です。
タイトルで分かるように生活保護を描いた漫画で、ビッグコミックスピリッツで連載中です。
主人公が、生活保護のケースワーカーという今までにないジャンルを描いているのですが、これがとても面白いのです。
「健康で文化的な最低限度の生活」のあらすじ
物語は、東京都東区役所に就職した主人公「義経えみる」が、生活保護を取り扱う福祉事務所に配属された所から始まります。
当たり前かもしれませんが、生活保護は、そもそも役所の課の1つで担当しているのですね。
主人公も単純に配属されたばかりなので、よく分かっていません。
なので、疑問に持つこと、分からないことが、読者と同じ目線なので分かりやすいです。
配属されてしまったものは仕方がない。主人公は生活保護について勉強もはじめます。
生活保護を受けている、人と人生と触れ合う所から始まります。
自分も大人になったからか、周りにも色んな人がいるようになりました。しみじみ。
さて、この漫画では、生活保護とはなんぞや?どんな人が受けているのか?どんなことが問題なのか?を分かりやすく扱っています。
こういった社会問題を扱うときに難しいのが、説教くさくなったり、暑苦しい話になりがちなことです。
社会問題は難しいテーマな反面、個にフォーカスすれば、ドラマチックに描きやすいのです。
しかし、「健康で文化的な最低限度の生活」で良いなぁ、と思ったのが淡々としてるのですね。
主人公は、ただただオロオロする。みたいな感じで。
それでいて、漫画としても凄く面白くなっているのは素晴らしいです。
この新人じゃ描けないであろう漫画の作者はベテラン・柏木ハルコです。さすがのバランス感覚。
生活保護制度という、デリケートな題材なので2年の取材期間を費やしているそうです。
実際の現場からの評判もかなり良いみたいですね。
最近、第二巻も発売されました。
[amazonjs asin=”4091867464″ locale=”JP” title=”健康で文化的な最低限度の生活 2 (ビッグコミックス)”]
ついに生活保護をテーマにしたら、避けては通れないだろう「不正受給」についての話がスタートしました。
詳しくはネタバレになるので書けませんが、「本人の自覚のない不正受給」の話もあり、そんなことがあるのかとハッとする題材です。
「不正受給」というと、悪意での行われるイメージがありますが、こんなパターンもあるのかと知りました。切り口が素晴らしい。
何かと風当たりの強い生活保護制度ですが、必要な制度です。
色んな人がいて、様々な人生があるし、自分の人生もどうなるかは分からないのです。
こんな世の中だから、ぜひとも一度読みたい漫画と思いました。
ところで、このタイトル凄く良いですよね。漫画のタイトルが「健康で文化的な最低限度の生活」ですよ。これ以上ないタイトルですよね。
[amazonjs asin=”B00PXZV4OI” locale=”JP” title=”健康で文化的な最低限度の生活(1) ビッグコミックス”]
コメント